雨漏りの修繕はどうしたらいい?応急処置や具体的な修理方法について解説

雨漏りは、見つけたらすぐに対処しなければ、建物の内部に水が入り込み、カビや腐食の原因になります。業者の対応前にできる限りの応急処置を行い、被害の拡大を防ぎましょう。
この記事では、雨漏りの修繕方法や応急処置のやり方、修繕費用についてご紹介しています。雨漏りを見つけた直後の対応や、修繕費用の目安を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
雨漏りの修繕前にすべきこと
雨漏りを発見したら、業者に修繕を依頼する前に、以下の2点を行っておきましょう。
- 雨漏りしている箇所の把握
- 雨漏りしている箇所への応急処置
これらの初期対応は、雨漏りによる被害の拡大を防ぐために欠かせないものです。初期対応が済んだら、速やかに業者に連絡しましょう。
雨漏りしている箇所の把握
はじめに、雨漏りしている箇所を把握しておきましょう。
雨漏りは屋根だけでなく壁や窓、ベランダなどからも発生するため、原因となりうる箇所はすべて確認する必要があります。
屋根の雨漏りは、天井のシミやカビが発生した形跡がないか確認してください。壁や窓の場合は、ひび割れやコーキングの劣化、ベランダは排水口のつまりや防水層の破損などに注目すると把握しやすいです。
外から雨漏りしている箇所を特定する際は、屋根材の破損やズレなどで大まかに確認することができます。
また、雨漏りしている箇所を見つけたら、複数のアングルから写真を撮っておきましょう。これにより、業者に修繕を依頼した際、スムーズに原因を突き止められます。
雨漏りしている箇所への応急処置
雨漏りによって床や壁などが濡れ続けていると、腐食やカビの発生につながります。適切な応急処置を行い、雨漏りの拡大を防ぐことで、建物の寿命を縮めずに済みます。
ただし、適切な方法を取らないとかえって悪化させてしまう可能性があるため、応急処置の方法を理解しておきましょう。
応急処置の方法には、以下の2種類があります。
- 雨漏りを受け止めるものを設置する
- 雨漏りしている部分を塞ぐ
順番に解説していきます。
雨漏りを受け止めるものを設置する
天井など高い場所から雨漏りしている場合の応急処置は、バケツや桶などの水受けを設置し、床を濡らさないようにしましょう。
水受けを設置する際は、中に雑巾やタオルを入れたり、レジャーシートなどを下に敷いたりすると、水跳ねから床や壁を守れます。
壁や窓などから雨水が染み込んでくる箇所や、雨漏りしている箇所が特定できている場所には、ペットシートや紙おむつを当てて固定すると効果的です。
ペットシートは四角く雨漏り箇所に固定しやすく、給水量も1Lを超える製品もあるため、雨漏り対策としてもおすすめです。
雨漏りしている部分を塞ぐ
防水テープやシーリング材を使うことで雨漏りを一時的に抑えることができます。
ただし、雨漏りしている箇所を特定せずに広範囲に処置を行ってしまうと、修繕の際に浸水箇所が見つかりにくくなったり、処置したものを剥がす際に塗装が剥がれてしまったりするためおすすめしません。
雨漏り部分を塞ぐ際は、処置を行う箇所をきれいに清掃し、そのあと密着性を確保しながら防水テープなどで浸水箇所を塞ぎましょう。
また、雨漏りで濡れている状態では防水テープをしっかりと貼り付けられません。雨漏り箇所の周囲をしっかり乾燥させてから防水テープを貼り付けましょう。
雨漏りの修繕方法
雨漏りの修繕方法は以下の3種類あります。
- 防水テープ・コーキングでの処置
- 部品の補修・交換
- 防水塗装
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
防水テープ・コーキングでの処置
防水テープ・コーキングでの修繕は、窓枠などのわずかな隙間から浸水している場合や、サイディングの劣化、浸水箇所のひび割れといった、軽度の雨漏りに用いられることが多い方法です。部品を全部交換する修繕方法に比べると安価で作業時間も短いです。
コーキングの劣化によって雨漏りが起きている箇所は、古いコーキングの上から新たなコーキングを打つ「打ち増し」か、古いコーキングを除去してから新しいコーキングを密着させる「打ち替え」のいずれかが、状況に合わせて用いられます。
コーキングの費用は3万〜10万円程度が目安です。コーキングを行う範囲や場所、足場の有無によって変動します。高所で広範囲のコーキングが必要な場合は、50万円以上と高額になる可能性があります。
部品の補修・交換
部品の補修・交換は、主に屋根に使われている資材そのものが破損して雨漏りが発生している場合に用いられる方法です。
屋根は、「野地板」「防水シート」「屋根材」の三重構造になっているため、浸水状況に合わせて、屋根材やその頂点に設置される棟板金、防水シートの補修・交換をして修繕します。
各構造ごとの補修・交換について順番に説明していきます。
屋根材
屋根材は屋根の上に取り付けられる材料で、瓦、スレート、トタンなどさまざまな種類があります。修繕方法は以下の5つです。
修繕方法 | 修繕の説明 |
部分修理 | 浸水箇所や劣化部分を取り替える。 |
塗装工事 | 屋根材の汚れを除去してから防水塗装を行う。 |
カバー工法 | 既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せる。 |
葺き替え | 古い屋根材を撤去し、新しいものに替える。 |
ボルトキャップの取り付け | 屋根を固定するボルト部分にキャップを被せる。 |
屋根材の修繕費用は部分的な修理などの簡単なものであれば数千円程度、カバー工法のような新しい屋根を取り付ける場合は、200万円程度かかります。
棟板金
棟板金はスレートや金属製の屋根などで用いられる屋根材です。屋根の頂点部分に設置され、屋根材の面と面のつなぎ目を守る役割があります。
棟板金は一般的に15年程度で劣化し、釘が浮いたり抜けたりして隙間から雨漏りしてしまう可能性が高いです。また、劣化すると強風で飛ばされるケースもあるため、15年経過している場合は雨漏りの症状がなくても点検することをおすすめします。
棟板金の修繕では、釘の打ち直しや劣化部分を交換して行い、費用目安は3,000~10,000円/mです。釘の打ち直しだけであれば上記金額よりも安く済むでしょう。
防水シート
防水シートは、屋根材の下に敷かれる下葺き材のことで、ルーフィングとも呼ばれます。屋根材の隙間から侵入した雨水を防ぎ、屋根材が破損したときの最終防衛ラインとして屋内への雨漏りを防ぐ役割があります。
防水シートの修繕方法は、接着剤で膨れ上がった部分を密着させたり、破れた部分をパッチ処理させるといった部分的な修繕で改善する可能性があります。
部分的な補修で雨漏りが改善しない場合や、劣化がひどい場合は全面補修や交換が必要です。修繕費用の目安は6,000~8,000円/㎡です。
雨樋
雨樋とは、屋根で受けた雨水を集めて排水する筒状の部位です。
修繕方法としては、雨樋の状態に合わせて破損部分をアルミテープやコーキングで補修する方法や、雨樋そのものを交換する方法があります。修繕費用の目安は部分的な修理であれば1~10万円程度、全体的な修繕は20万円~となります。
また、雨樋にゴミが詰まっていてうまく排水できていないときは、清掃によって改善が可能です。
防水塗装
防水塗装は、軽度の損傷や劣化によって雨漏りが発生している箇所に用いられる修繕方法です。非常に手軽な修繕方法ですが、根本的な解決というよりは雨漏りの予防や防水性の向上を目的としています。
防水塗装にはウレタンとFRPの2種類あり、費用目安は以下のとおりです。
- ウレタン:1,500円~/㎡
- FRP:2,000円~/㎡
複雑な屋根形状にはウレタンがおすすめです。
雨漏りの修繕費用の相場
雨漏りの修繕費用は修繕する建物の種類や修繕箇所の広さ、工法などによって異なります。修繕箇所ごとの費用の相場は以下のとおりです。
修繕箇所 | 相場 |
屋根 | 軽度:約3万〜30万 中度:約35万〜75万 重度:約80万〜200万 |
外壁 | 軽度:約5万〜50万 中度〜重度:約80万〜200万 |
天井 | 約3万〜20万 |
ベランダ | 約3万〜30万 |
窓 | 約3万〜30万 |
屋上 | 約20万〜100万 |
雨漏り調査 | 約1万〜50万 |
修繕する建物や修繕方法によっては補助金が使える場合があるため、事前に各自治体のホームページを確認しましょう。
なお、雨漏りの原因が自然災害の場合、火災保険が適用できる可能性があります。火災保険が適用されれば、修繕費用の負担を軽減できます。火災保険の適用条件や補償内容を確認したうえで申請手続きを行いましょう。
雨漏りの修繕にかかる期間
雨漏りの修繕にかかるおおよその期間は、以下のとおりです。
修繕箇所 | 修繕にかかる期間(目安) |
屋根 | 1日〜2週間 |
外壁 | 1日〜4週間 |
天井 | 1日〜2週間 |
ベランダ | 1日〜10日 |
窓 | 1日〜3日 |
屋上 | 2日〜10日 |
雨漏り調査 | 半日〜2日 |
修繕規模によっては1週間以上かかるケースもあるため、定期的な点検や小さな損傷の時点で修繕依頼できるように心がけましょう。
雨漏りの修理業者を選ぶ際のポイント
雨漏りの修繕は、信頼できる業者に依頼しましょう。業者を選定する際のポイントは以下のとおりです。
- 資格・営業許可があるか
- 対応が迅速か
- 隅々まで入念に調査してくれるか
- 修繕費用が相場の範囲内か
一つずつ解説します。
資格・営業許可があるか
信頼できる業者を選ぶ際は、建設業許可の有無を見ることが重要です。
また、建物の修繕は修繕内容や工法によって専門性が異なるため、業者の保有している資格も修繕を依頼する際の指標になります。雨漏りの修繕に関する代表的な資格には、以下の3つがあります。
資格名 | 詳細 |
雨漏り診断士 | 雨漏りの原因の究明や対処法を提案できる |
かわらぶき技能士 | 瓦屋根の施工・修理技術がある |
瓦屋根工事技士 | 瓦屋根工事技士は瓦に関する知識や工事技術を持ち、適切なメンテナンスができる |
修繕依頼の内容に則した資格を保有しているかチェックしましょう。
対応が迅速か
雨漏りは、放置時間が長いほど被害が広がり、修繕にかかる費用も高くなるため、できるだけ対応の早い業者を選びましょう。
また、対応の際に、雨漏り調査だけでなく応急処置を行ってくれるかを確認しておくと、被害を最小限に抑えつつ費用縮小につながります。
即日対応が可能な業者から優先して連絡しましょう。
隅々まで入念に調査してくれるか
雨漏りは原因を明確にしたうえで修繕しないと再発する可能性があります。徹底して原因究明を行ってくれる業者へ依頼しましょう。
原因を特定することは修繕方法の選択にも大きく関わり、原因の内容や規模にともなって修繕費用も異なるため、根本的な解決をしてくれる業者を選ぶべきです。
現地調査の際に原因となる箇所の写真を見せてくれる業者や、丁寧な説明を実施してくれる業者は優良なケースが多いので覚えておきましょう。
修繕費用が相場の範囲内か
先述したとおり、雨漏りの修繕費用は修繕箇所や修繕方法によって大きく異なります。そのため、複数の業者から見積もりを取り、比較する「相見積もり」を行いましょう。
相見積もりは、正確に比較できるよう、すべての業者に同じ条件で依頼することがポイントです。また、比較の際は価格だけではなく、修繕費用の内訳が細かく設定されていることや、余計な項目が入っていないかをチェックしましょう。
まとめ
雨漏りの修繕は雨漏り箇所により手法や費用が異なります。
雨漏りに気付いたら、まずは雨漏りしている箇所を確認し、応急処置を行ったうえで、業者に連絡しましょう。即日対応してもらえれば、雨漏り被害が広がらず修繕費用も抑えられます。
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